京都・清水寺(奥の院)「木造・三面千手観世音菩薩像」【秘仏】【重要文化財】

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京都・清水寺「木造・三面千手観世音菩薩座像」【秘仏】【重要文化財】

画像引用先:http://www.kiyomizudera.or.jp/

造立年

  • 不明
  • 推定:1220年代/鎌倉時代
像高

  • 64.9cm
造立方法

  • 素木・寄木造り
作者

  • 不明
  • 推定:慶派仏師
腕の数

  • 36本(合掌手2本、宝鉢手2本を含めると40本)
重要文化財指定年月日

  • 2002年(平成14年)6月26日
安置場所

  • 清水寺境内・奥の院




三面千手観世音菩薩座像の読み方

三面千手観世音菩薩座像」は「さんめん せんじゅかんぜおん ぼさつざぞう」と読みます。

三面千手観世音菩薩像を作った人物(作者)とは?

三面千手観世音菩薩像が造立された年は不明とされていますが、作風などの観点からの考察によると、鎌倉時代に造像されたと伝わる像です。

作風に関しては1194年(建久5年/鎌倉時代初期)造立の「阿弥陀如来像(京都・遣迎院)」や、1200年(正治2年)造立の「孔雀明王像(高野山・金剛峯寺)」に類似していることから、同年代に造像された仏像と考えられています。

また作者に関しても、鎌倉時代に大活躍した「慶派(けいは)」の仏師「快慶(かいけい)」か「その他の慶派仏師」であると考えれられています。

三面千手観世音菩薩座像の特徴・見どころ

まず、千手観音像が「座像」姿で造像されている像は大変、珍しい像となります。

この千手観音座像が「三面」と呼称がされている理由として、正面と左に1つ、右に1つの顔を持っていることから「三面」と付されています。

これら顔が3つある理由とは「現在、未来、過去」を司ることを意味し、さらにすべての世界の衆生を1000本の手を用いて漏らさず救済することを意味しています。

ちょっと、三面千手観世音菩薩座像の頭上を見てみてください。

よく見るとたくさんの「小さな可愛い~ぃ仏様」が乗っています。

これは「化仏(けぶつ)」と呼ばれる仏様であり、全部で24面あります。

つまり、上記3面のお顔を合わせえると実際には27面あることになります。

注目は「手の数」!!

千手観音像は大抵の場合、定印を結ぶ手左右2本と、胸のあたりで合掌する左右2本の手を合わせて42臂(42本)で造像されることが多いのですが、奥の院の三面千手観音座像の場合は、脇手が36本しか腕がありません。

つまり、合掌手2本と定印手2本を合わせても合計で40本となり、従来の千手観音像よりも2本少ないことになります。

実は奥の院の千手観音像には御前立ちの像も安置されており、この御前立ちの像も御本尊を模して造像されていることから当然、手が40本しかないことになっています。

御前立ちの座像で40本しかない仏像は日本中広しと言えど他になく、つまりはここ清水寺・奥の院でしか見られない御前立ち座像だと云われています。

ところで・・「千手観音」とは?

また、本来の名前を「千手千眼観自在菩薩(せんじゅせんげんかんじざいぼさつ)」と呼称し、名前に「千」が付いていますが、実際は「無限」を意味します。

千手観音の大きな特徴として、42本のある手のうち2本は「合掌手」と呼称し、胸前で合掌しています。

クソ腹の前で定印を組んでいる手2本は「宝鉢手(ほうはつしゅ)」と呼称し「阿弥陀定印(あみだじょういん)」と言う「印」を結んでいます。

そして残った38本の「脇手」と呼ばれる手で多種多様な持物を持っています。

清水寺の千手観音は、背中の後ろには舟形の大きな輪っかがあります。

これは「後背(こうはい)」と呼ばれるもので、ここには雲文(うんぶん/雲の模様)を用いた「三十三身仏」が表現されています。

「三十三身仏」とは、「観音菩薩」特有の必殺技で、すべての衆生(しゅじょう/すべての万物)を救済するために、救済する者の姿や人物像に合わせて变化(へんげ)する仮の姿のことです。

京都・清水寺「三面千手観世音菩薩像」の安置場所

三面千手観世音菩薩像は奥の院・内陣に安置されています。

奥の院は本堂・舞台を抜けた先に位置します。

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